移動平均線からの乖離を使ったロジック検証1~エンベロープの逆張り⑤
色々なロジックをEA化して検証しています。
検証の過程も含めてアウトプットしているので、ゴールが見えていて、こうやれば勝てますよって話ではありません。
もしかしたらこの中に、みなさんにとってのヒントが有るかもしれないし、無いかもしれないし…
今回は、移動平均線からの乖離を使った逆張りロジック検証の第5章です。
初めての方は第1章からご覧ください。
これまでの流れは、SMA200からの乖離がある一定の幅に達したら逆張りをするロジックについて、5通貨ペアで調べてきました。
乖離率の代わりにエンベロープを使っています。
前回は、5通貨ペアの中で一番良かったユロ円について、エントリータイミングを変えて比較しました。
結局、偏差1を抜けてすぐにエントリーする最初のパターンが一番良かったという結果です。
他のパターンは偏差1を抜けた後にさらに条件が追加された形なので、最初のパターンは全てを網羅している事になりますね。
つまり、怯まずポジれって事か? 笑。
今回は、ユロ円の1分足パターン1で、時間や曜日でフィルターをかけて比較します。
時間や曜日のフィルターをかけて比較
ロジックの概要は、期間200のエンベロープで設定した偏差を現在値が抜けたら逆張りをするといものです。
エントリー時間や曜日により偏りが見られたので検証してみます。
基本ロジック
・通貨ペア EURJPY(ユロ円)
・時間足 1分足
・SMAの期間 200
・エンベロープの偏差1 0.41
・エンベロープの偏差2 0.67
・TP110pips、SL30pipsを設定
《ロング》
・1本前の終値が下の偏差1より上で、現在値が偏差1を下抜けしたらエントリー
・現在値がMA200を上抜けで決済、偏差2を下抜けで損切り
《ショート》
・1本前の終値が上の偏差1より下で、現在値が偏差1を上抜けしたらエントリー
・現在値がMA200を下抜けで決済、偏差2を上抜けで損切り
バックテストについて
バックテストはOANDAのMT4、TDS(デューカスコピーのヒストリカルデータ)を使用。
全ティックで、スプレッドは0.8pipsで固定。
期間は2015年1月1日~2021年5月前半です。
フィルター無し
まずは、比較のためにフィルター無しの状態です。
図1
エントリー時間と収支の関係
図2
欧州前半~NY開始前辺りが連続して負けているようです。
曜日と収支の関係
図3
なぜか勝っているのは月水金だけですね。
時間フィルターを設定
上記の図2から、基本ロジックにプラスしてエントリー可能時間を設定しました。
エントリー可能時間(サーバー時間)
・0:10~11:59
・16:00~22:59
図4
勝ちも負けも同数ぐらい減っていますが、全体的にデータは向上しているようです。
悪い負けを減らせている印象です。
時間+曜日のフィルターを設定
基本ロジックにプラスして、エントリー可能時間と可能曜日を設定しました。
エントリー可能時間(サーバー時間)
・0:10~11:59
・16:00~22:59
エントリー可能曜日
・月、水、金
図5
基本ロジックのみと比較して、かなり向上したのではないでしょうか。
特に、負けを大きく減らすことが出来ています。
結果の考察と裁量トレードでの活用法
最終的な図5の状態は、ドローダウンも低くグラフも滑らかで、純益が減っていないという点ではフィルターは成功でしょうか。
ただ、やはり取引数が少ないですよね。
単純に平均すると週に2回程度ですが、実際には固まってエントリーする期間と全くしない期間があるようです。
長い時では3か月近く稼働無しという事も…
動かして数年放置したら増えてるかも 笑。
図4から図5の変化では、勝ちよりも負けの方が多く減っているにも関わらず、純益はそれほど増えていません。
(まぁ、収支がトントンの火曜日と木曜日を除外したので、純益が増えないのは当然ですよね。)
このデータから分かるのは、火曜日と木曜日は低勝率損小利大でトントンになっているという事かな。
小さい負けが多いっていうのは、ある程度乖離した状態で上下しながらトレンドが続くパターンでしょうか。
図6のような感じです。
また、大きく勝てる場面は逆張り成功という事ですよね。
という事は、火木は月水金に比べて図6のような場面が多いのかも…
単なる仮説ですけどね。
裁量トレードでの活用法
取引頻度を考えると、これ自体を裁量トレードにするのは時間の無駄ですね。
これをやりたいならEAにして放置しましょう 笑。
ただ、ここまでの流れで見えた時間的傾向や曜日の傾向は何か参考になるかもしれません。
特に曜日によって戦略を変えるなんてのもありかも知れませんね。
とりあえず、SMA200での検証は一旦終了で、次回からSMA75の検証を開始します。
この続きはこちら。
最後までお読みいただきありがとうございます。
EA化について
今回のEA作成にはレッツリアルの無料ツールを使用しています。
また、今回のEAはこのツールだけでも十分ですが、プログラムの勉強とカスタマイズ性を考えて以下のサイトを参考に独自に改変も行っています。