時間指定エントリーロジックの検証3 ~ ポンドドルのロンフィクロジック
最近、時間指定エントリーや時間縛りについて考える事が多いのですが、今回も時間指定エントリー系です。
前回のポンドドルの時間エントリーを検証している時に思いついた内容です。
前回の記事はこちら。
ポンドドルのロンフィクロジック検証
前回はポンドドルを毎日同じ時間にエントリーしたらどうなるか?を調べました。
その時にふと思ったのが、欧州時間の始まりやニューヨーク時間の始まりの頃ってなんか反転することが多い気がする…でした。
ということで、顕著な傾向が無いか調べてみたらロンドンフィキシングに辿り着きました。
ポンドドルの30分足で陰線・陽線が連続する割合
基本的に、陰線と陽線が出現する確率は50%です。
陰線→陰線、陽線→陽線のように同じ足が連続する確率も50%です。
ただ、完全にランダムなわけではなく、場面によって偏りが生じています。
そのような偏りに一様の傾向を見出すのがFXの攻略なんじゃないのかな?って思ったりするわけですが…
各市場の開始時間前後や特徴のあるところで反転が起こりやすい印象を持っていたので今回の検証です。
感覚的に30分くらいで反転していそうなイメージがあったので、ポンドドルの30分足で調べました。
2005年からのヒストリカルデータを使い、各時間ごとに同じ足が連続した割合を求めました。
上段が時間(サーバー時間)で、下段は同じ足が連続した割合(%)です。
例えば、黄色で示した18:00ー45.3というのは、17:30~18:00の30分足と18:00~18:30の30分足が同じだった割合が45.3%だったということです。
逆に言うと、反転した割合が54.7%だったと考えることもできますね。
黄色や水色で示した部分は他から比べるとやや偏りが大きいことが分かると思います。
この辺りを中心に調べたところ、特に黄色の18:00に特徴があるのが分かりました。
サーバー時間18:00といえばロンフィクですので、何かあるのかもしれませんね。
ということで、EA化して検証しました。
基本ロジック
・通貨ペア GBPUSD(ポンドドル)
・17:30~の30分足が陰線なら18:00にロングエントリー
・17:30~の30分足が陽線なら18:00にショートエントリー
・TPは10pips、SLは36pipsに設定(最適化により算出)
・TPSLで決着がつかない場合は18:30に決済。
バックテストについて
バックテストはOANDAのMT4、デューカスコピーのヒストリカルデータを使用。
1分足の全ティックで、スプレッドは1pipsに設定して行っています。
2005年1月~2021年1月(現在)までの結果
トータル収支はマイナスですが、勝率が約60%ということで反転が起こっている可能性は感じます。
ただ、反転後に勢いよく動いているわけでは無さそうな雰囲気なのかも知れません。
そして、このロジックもやはり2015年辺りから様子が変わっています。
あくまでも僕の個人的な考えですが、2015年辺りから相場の傾向が変わっているように思います。
スプレッドが狭くなってきた、AIが入ってきた等も関係あるのか?なんて考えたりもしています。
正しいかは分かりませんが、2015年辺りから様子が違うのは事実で、現在の状況にマッチしているのではないか…と考えています。
いつまでもこの傾向が続くか分かりませんし、ずっと同じような傾向になるロジックの方が安心ですが、簡単ではありません。
そのような理由から、僕は2015年辺りからの傾向で見ることが多いです。
2015年1月~2021年1月(現在)までの結果
2015年からを見ると右上がりっぽい感じですかね。
僕は自分のためにロジック検証をしているので、決して良いところだけを切り取って良く見せようという魂胆はありませんよ 笑。
上述のように2015年からというのは僕のデフォルトです。
では、もう少し詳しく見ていきましょう。
ポジション保有時間と収支
上手はポジション保有時間です。
30分で決着がつかずに18:30に決済されているポジションが非常に多い状態のようです。
このポジがどういう状態で決済されているか気になるのでさらに追跡。
時間内に決済されたものは利確が多いようですが、含み損状態で時間切れになったものが多数のようです。
時間切れで大量に決済されたポジションにもう少し時間を与えたらどうなるだろう?
ということで、決済時間を30分延長してみました。
決済時間を19:00に変更した結果
勝率が上がったので助かったポジもあるようですが、30個弱ですかね。
TPSLでのゴールも増えたようで、平均勝ち負けも上がっています。
トータルは増えたがどう見るか?
データは省略しますが、この時点でも決着がつかずに時間切れとなったポジションはたくさんあります。
さらに1時間くらい保持していた方が助かるポジもあるようです。
しかし、含み損で保持する割合の方が多いので…。
結果の考察と裁量トレードでの活用法
今回は、陰線と陽線が連続する割合を過去データから求め、それによりロンドンフィキシング前後のポンドドルでのトレードを考えました。
実際はどうか分かりませんが、偏りが生じる理由として「ロンフィクが影響している可能性」という材料があるのは良いと思います。
まったく理由が思い当たらないのに偏りが生じていても心配ですから…
それと、単に買いだけ、売りだけというロジックではなく、場合によって上下を振り分けている点も良いと思います。
ただ、獲れ高を見ると、ロンフィクで動いた分を反転して戻すというよりは、ロンフィクを境にそれまでの動きは収まり少し調整された感じなのかもしれません。
裁量トレードでの活用法とまとめ
今回の検証では、TPSLを一律にしていますが、その時の状況に合わせてTPSLを設定することで、利益を伸ばしたり損を抑えたりできるかも知れません。
例えば、18:00に1本前の30足の逆にエントリーし、直近の高値安値を目安にTPSLを決めるとか、トレールで利益を伸ばすとか…
これについては検証は行っていないので、優位性があるかは分かりませんけどね。
今回は1本前の30分足との比較しか行っていませんが、もっと細かく見るとか大きく見るとか調べがいはありそうだと思っています。
また、他の通貨では調べていないのでドル円やユロドル辺りも気になるところではあります。
長文にも関わらず、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。