ADXの検証①~基本の使い方の検証

色々なロジックをEA化して検証しています。

検証の過程も含めてアウトプットしているので、ゴールが見えていて、こうやれば勝てますよって話ではありません。

もしかしたらこの中に、みなさんにとってのヒントが有るかもしれないし、無いかもしれないし…

 

今回は、ADXの解説でよく説明されている基本的な使い方について検証します。

ADXの基本的な使い方についての検証

ADXとは

ADXを解説するのが目的ではないので、詳しいことはGoogle先生にお任せします。

ざっくりいうと、相場の勢いを数値化して「ADX」「+Dl」「-Dl」の三本の線で表したものです。

ADXの値が大きいと相場の勢いが強いと判断し、一定の値を超えたらトレンドが発生したと判断します。

ADXは勢いだけを表しているので、売り買いの方向は分かりません。

方向はDlで判断します。

+Dlは買いの勢い、-Dlは売りの勢いを表しています。

+Dlが-Dlの上にある時は上昇、逆の場合は下降というように判断します。

 

ADX→白ライン、+Dl→赤ライン、-Dl→水色ライン

 

ADXの見方

詳しい見方については解説サイト等を検索してご覧ください。

簡単にまとめると

・ADXが右上がりの状態はトレンドが発生。

・ADXが右下がりの時はトレンドの終息や反転。

・+Dlが-Dlの上にある時は上昇。

・-Dlが+Dlの上にある時は下降。

・ADXが25以上はトレンド相場、25以下はレンジ相場。

 

今回は赤文字の部分に着目して検証します。

基準は25の他に20とも言われていますが、いずれにしても一定の数値を超えた状態をフィルターとしてロジックを組み立てる事ができるか気になるところです。

 

基本ロジック

ADXがある一定の値を超えた場合にトレンド相場と言える場合が多いか確かめます。

ADXがある一定の値を上抜けした時点でエントリーをし、勝率や収支等で判断したいと思います。

決済が悩ましいところですが、とりあえず以下の要領でやってみます。

 

・通貨ペア USDJPY(ドル円)、GBPUSD(ポンドドル)、GBPJPY(ポンド円)、EURUSD(ユロドル)、EURJPY(ユロ円)

・時間足 1分足、5分足、15分足、1時間足

・ADXの期間 14

・ADXの値A 20、25、30

《ロングエントリー》

・ADXが値Aを上抜け

・+Dlが-Dlの上

《ロング決済》

・+Dlが-Dlの下にクロス

《ショートエントリー》

・ADXが値Aを上抜け

・-Dlが+Dlの上

《ショート決済》

・-Dlが+Dlの下にクロス

 

トレードの具体例は図1の様になります。

A地点でADXが25を上抜け、+Dlが上なのでロングエントリー。

B地点で-Dlが+Dlを上抜けたので決済。

※図には他にもエントリーポイントがありますが省略しています。

図1

 

 

バックテストについて

バックテストはOANDAのMT4、TDS(デューカスコピーのヒストリカルデータ)を使用。

全ティックで、スプレッドは固定で通貨ごとに設定しています。

 

2015年1月~2021年9月の結果

上記の組み合わせで、一番良かったのはポンドドルの1時間足でADX値が20の時でした。

全体的な傾向としては、勝率は25%~35%くらいで、平均負けよりも平均勝ちの方が大きいがプラスにはならない感じ。

1分足~15分足では綺麗な右下がりのグラフになる。

ADX値は高い方が勝率が上がるが、エントリーが遅くなる分獲れ高が減りマイナスが増える。

 

ポンドドル1時間足、ADX20の結果

 

結果の考察

エントリーの具体例で示した図1のように綺麗に獲れるパターンもありましたが、以下の様にちょっとだけ基準値を超えるダマしも多く発生しています。

 

レンジの幅やその時の勢いは都度違うので、基準を決めて一律に範囲指定してもダメって事ですね。

上記のバックテストの結果と合わせると、基準値を超えたら伸びる確率はせいぜい30%程度ということでしょう。

では逆に、超えても伸びない確率が70%なら反対方向にエントリーしてみたら…と試しましたが、これもダメ。

まぁ、当然ですよね。

逆方向に伸びるわけでもないか 笑。

 

まとめ

今回、ADXがある一定の基準値を超えた場合をフィルターに使うことに優位性があるか調べました。

結果はご覧の通りで、基準値より上か下かはフィルターになりそうもありません。

そもそも、次の図で示すように基準値より上でも半分はダメな範囲なんですよね。

 

それが分かっていたので、上抜けした時という条件で検証したのですが、それでもダメでした。

誤解しないで頂きたいのは、ADXは使えないという結果が出たわけではありません。

基準値より上はトレンド相場、下はレンジ相場という切り分けは意味がないという事です。

 

ADXやDlの向きや傾き加減とその変化、それぞれの位置関係等、調べてみたいことがたくさんあります。

単体で使うよりも何かと組み合わせて力を発揮する可能性もあります。

今回の結果も踏まえて、引き続き検証を続けます。

 

2021年9月10日追記

続きの検証結果をまとめました。

ADXが基準値より上にある時の押し目買い戻り売り狙いです。

こちらもぜひご覧下さい。

 

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www.lets-real.com

 

また、プログラムの勉強とカスタマイズ性を考えて以下のサイトを参考に独自に改変も行っています。

 

 

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Posted by 凪之介