移動平均線を使ったロジックの検証7 ~マルチタイムフレームでの順張り①
FX裁量トレードの手法を強化するためにEAを使ってロジック検証を始めたのですが、今ではすっかりEAに嵌っています。
自作EA作成のためにプログラムの勉強をしながら、ツールも使ってロジック検証を行っています。
ゴールが見えていて、こうやれば勝てますよって話ではありません。
勝てるロジックが無いかな?って探している最中の僕の検証状況をアウトプットしているだけです。
もしかしたらこの中に、みなさんにとってのヒントが有るかもしれないし、無いかもしれないし…
今回は移動平均線のマルチタイムフレーム分析による順張りロジックの検証です。
マルチタイムフレーム分析による順張りロジックの検証
マルチタイムフレーム分析で何をする?
マルチタイムフレーム(MTF)分析の詳しい説明に関してはグーグル先生にお任せします。
何をやろとしているかは、ざっくりいうと以下の様なことです。
図1はポンドドルの4時間足です
図1
赤い線で囲まれた部分は上昇トレンドになっていますね。
この部分を1時間足で見たのが図2です。
図2
この中の上昇している部分を囲った黄色線の範囲を15分足で見たのが図3です。
図3
さらに上昇部分の水色線の囲みを5分足で見たのが図4です。
この水色の部分で買いトレードをするという企みです。
4時間足が上昇を示していても1時間足は上下ヨコヨコになります。
その中の上昇部分だけを切り取って、15分足も同様に、最後は5分足でトレードをするという感じです。
4時間足、1時間足、15分足がどれも上昇なら5分足での買いトレードは成功しやすいだろうという考えですね。
ただ、上記は既に終わったチャートで見ているので簡単です。
実際には、これからの動きが分かるわけではありません。
そこで、トレンド判断に移動平均線を使って上手くいくか検証しようと思います。
移動平均線でトレンド判断
移動平均線でトレンドを判断する方法はいくつかあります。
・移動平均線の傾き
・ゴールデンクロス、デッドクロス
・パーフェクトオーダー
・移動平均線とろうそく足の位置関係 …
今回は、移動平均線の傾きをメインにロジックを考えたいと思います。
4時間足、1時間足、15分足の全ての移動平均線が上向きの時に買いトレード。
下向きなら売りトレードという具合ですね。
移動平均線の傾きを使ったロジックの問題点
移動平均線(MA)は実際の値動きより遅れた形になります。
遅れ具合は期間が長い方が遅くなるので、今回は期間の短いものを使おうと思います。
ただ、期間が短いとダマしも多くなる問題もあります。
図5は、図3にSMA10を表示して拡大したものです。
上昇している範囲は水色線の範囲ですが、MAを使って判断するとオレンジ線の範囲になります。
また、図6のようにもみ合う場面では、上下して判断がつきにくくなります。
このような場面では損切りが何度も繰り返される可能性があります。
図6
以上のようなことも踏まえながら、色々と検証してみたいと思います。
移動平均線のMTF分析ロジック
基本ロジック
・通貨ペア GBPUSD(ポンドドル)5分足
・4時間足、1時間足、15分足でSMA10が全て上向きの時のみロングエントリー
・4時間足、1時間足、15分足でSMA10が全て下向きの時のみショートエントリー
・5分足のSMA10が下向きから上向きに変わったらロングエントリー、下向きに変わったら決済
・5分足のSMA10が上向きから下向きに変わったらショートエントリー、上向きに変わったら決済
・TP SL設定なし
バックテストについて
バックテストはOANDAのMT4、デューカスコピーのヒストリカルデータを使用。
始値のみで、スプレッドは1pipsに設定。
※全ティックと始値のみでほぼ同様の結果です。
2012年1月~2021年2月までの結果
図7
見事な右肩下がりですね。
状況としては以下の様な感じのようです。
図8
図8の赤枠部分は、エントリー条件のSMAの反転がオレンジ線よりも前に起こっているのでエントリーされません。
ここを一番獲りたいんですけどね。
青枠部分は、予想通り損切りを繰り返しています。
黄色枠部分は、思惑通り獲れています。
赤枠を拾うような工夫と、青枠を除外するような工夫が必要のようです。
長期足のMAをどう表現するか
プログラム上でMAの傾きは、「1本前のMA>2本前のMA」というように表現しています。
5分足チャートでも、「1時間足のSMA10」という指定が可能です。
図7を動かしたコードはそのように記述しています。
5分足チャートだと図9のようなイメージになるかと思います。
図9
4時間足SMA10(白)、1時間足SMA10(水色)、15分足SMA10(黄色)、5分足SMA10(赤)です。
各時間足の切り替わりでMAも確定するため、このようにカクカクとした形になります。
ということは、4時間足のトレンド判断は4時間に1回ということですよね…
ちょっと遅いかもと思い、違う方法も考えました。
4時間足SMA10は4時間足10本分なので、5分足にすると480本分です。
同様に、1時間は120本、15分足なら30本です。
ということで、その設定で表示させたのが図10になります。
切り替わりの部分で反応が少し早くなるかも知れません。
この設定でも基本ロジックで回してみました。
図11
まぁ、当然右肩下がりなのは改善されませんが、取引数が20%増です。
反応が遅くて取りこぼしていた部分を拾ったようです。
勝ちも負けも同じような割合で拾っているので、どちらが良いか分かりませんが…
とりあえず、長くなってきたので一旦まとめます。
結果の考察と裁量トレードでの活用法
きれいな右肩下がりなので、使えるようになるかは期待が持てませんが、工夫できる点は色々と考えられるので続けます。
とりあえず、エントリーや決済部分を見直して効率よく獲れるようにする、損切りを繰り返すところが除外できるようなフィルターを探す…
まぁ、結果は出ないかもしれませんが過程も大事だと思うので、興味がある方は引き続きお付き合いください。
裁量トレードでの活用法
今回の内容で、直接裁量トレードに活用できるものはなかったかもしれませんが、マルチタイムフレーム分析という考え方は有効です。
MTF分析を取り入れることで精度が上がる手法も多くあると思います。
大きな流れには逆らわない、これ大事。
この続きはこちら。
最後までお読みいただきありがとうございます。
EA化について
今回のEA作成にはレッツリアルの無料ツールを使用しています。
また、プログラムの勉強とカスタマイズ性を考えて以下のサイトを参考に独自に改変も行っています。